平成2459

炊飯器が・・・落ちた!

 

 ショックです.


食器棚の可動棚に置いていた炊飯器が,床に落ちて壊れてしまいました.

おいしく炊けて,音声でしゃべってくれるお気に入りの炊飯器だったのに,本当にショックです.

えっ,何でそんなことになったのかって?

そうですよね.炊飯器なんて,そう簡単におっことすものじゃないですよね.

それには,ちょっとした訳があるんです.

「おどり炊き」と名のついた気になる炊飯器がありました.竃でご飯を炊く様子を研究して生まれたとかで,圧力をバルブの開閉で間欠的に逃がし,お釜の内部を急激な沸騰状態にして,一粒一粒のお米を立たせておいしく炊きあげる方式だとか.
そんな宣伝文句につられ買ったのが,一つ前の炊飯器でした.
結婚して丸7年になりますが,最初の炊飯器が3年で壊れ,次に買ったのがこの「おどり炊き」です.

でもそれが,2年で壊れてしまいました.妻に「あんたの使い方が悪かったんじゃないの・・・」とぶちぶち文句を言いながらも,同じものが欲しいとの妻からの懇願に買ったのが,今回私が壊したやつなのです.

同じものといっても,毎年改良が加えられて新しいものが出ています.
前回のものは,ご飯はおいしかったのですが,まさにかまどで炊くのごとく,ふきこぼれがすごくて掃除が大変なのが欠点でした.3つ目の炊飯器がきたとき,今回はどうかと心配しつつ,新品のお釜に米をセットしてスイッチ・オン.メーカーも馬鹿ではありませんでした.ふきこぼれは全くなく,音も静かになり,最初の印象は二重丸.

お味はどうかと炊きあがったご飯をお茶碗に装い,家族全員でぱくり.しかし次の瞬間,家族の頭の上にはクエスチョン・マークが・・・.でも,以外に心優しい妻と子供は,何も言いません.私一人が,「何かおかしい・・・」,「こんなはずはない・・・」とぶつぶつ.

後でメーカーのHPからマニュアルのPDFファイルをダウンロードして調べたところ,「本製品は,周囲の温度を感知し,温度が高い場合には,自動的に炊き上げ温度を下げることにしております.」との記述を発見.そ,そんな・・・.

この炊飯器,「おどり炊き」する過程で,蒸気が鉛直方向に勢いよく噴き出すのですが,食器棚のような奥まった空間に設置してしまうと,蒸気が空間に充満し,炊飯器の周囲の温度を上げてしまいます.
今回の炊飯器はコンピューターが賢くなり,周囲の温度上昇を感知して炊きあげる温度を下げる制御を行うとのことですが,炊きあげ温度を下げると当然ながら炊きあがったご飯はまずくなります.最初に炊いたご飯がいまいちだったのは,これが理由でした.
また,最初の炊飯器と2番目のが早く壊れたのも,蒸気が棚にこもったせいと納得.ごめんね,と心の中で妻に謝るこにたんでした.

それで,対策として,炊飯器を乗せている可動棚を,炊飯のたびに手前に引き出すことに.
しかし,蒸気の吹き出し口が後部にあるため,これではまだ吹き出された蒸気が食器棚の上部に当たります.
そのため,棚を引き出した上に炊飯器をくるりと90度回転させます.これでやっと蒸気はこもらなくなりました.
まったく,世話の焼けるやつです.
この対策を施し,ご飯を炊いてみると,予想通り本来の「おどり炊き」の味に.めでたし,めでたし.


さて,先日です.

その日の夕食は私が当番でした.
ご飯は,銀杏の炊き込みご飯.おいしいかな・・・.お米を研いで,酒と醤油と秋に田舎でもらった銀杏を加えて水加減.純銅製の少々重い内釜を右手に,炊飯器のハンドルを左手に持っていつものように90度回転させて手を離した瞬間,「ドスン」と大きな音がして炊飯器が床に転がり落ちてしまいました.
見えない悲しさ.
炊飯器がうまく棚に乗っていなかったようです.

騒ぎを聞いて,妻が2階から降りてきました.
かくかくしかじか.妻に訳を話し,二人で炊飯器を棚に戻し,様子を見たところ(触ったところ)外見上は問題ないようです.内釜をセットして,恐る恐るスイッチ・オン.
いつもの「炊飯を始めます」との音声がして,どうやら無事スタートしたようです.
そっと胸をなで下ろし,妻が二階に戻ろうとしたとき,「ピー」という長いブザー音が.
妻に見てもらうと,ディスプレイには「E37」というメッセージが出ているようです.
何度スイッチを入れ直しても,同じです.
よく耳を澄ませると,スタートした後聞こえるはずの冷却ファンの音がしません.あわわ.

前々回と前回に炊飯器が壊れた際,妻にひとしきり文句を言っただけに,何を言われるかとびくびくしていたら,「今回は事故だからしかたないね」だって.妻は天使でした.

気を取り直して,内釜に空しく残った炊き込みご飯の材料を土鍋に移し,手動炊飯.
これが以外においしかった.「おどり炊き」とはちがった,土鍋特有のしゃっきりしたおいしさです.


さて翌日,妻が壊れた炊飯器をメーカーのサービスセンターに持ち込み,様子を見てもらうと,やはりファンが壊れているようです.しかも修理費は28千円だと.
何でファンを直すごときにそんなにかかるの,と文句を言いたいところですが,自分で直すことはできないのでしかたありません.熟慮の末,新しい炊飯器を探すことに.
妻は今度も同じものをと言っていましたが,メーカーである三洋電機は2年前に松下に吸収合併されて,三洋ブランドの炊飯器は既にありません.残念です.
そこで見つけたのが三菱の「本炭釜」です.

この炊飯器の売りは,蒸気を水タンクで凝縮させ,蒸気が外部に出ないことです.
蒸気の問題で何度もトラブルに見舞われた我が家には,この上ない製品と思い,即購入.
これで毎回戸棚を引き出すことも,炊飯器を90度回転させることも必要ありません.
しかも,フル音声・ナビ付きです.最近は,音声付きの製品も少しずつ増えてきて,我々には有り難い限りです.それに,炊き上がったご飯も,この上なくおいしい.土鍋で炊いたご飯のようです.
この炊飯器,今度こそは10年もたさなければ・・・.

でも,今度のやつは,内釜が「炭」でできています.
マニュアルにも,落とすと割れると書いてあります.
心は天使ですが,少々おっちょこちょいな妻のことが気がかりです.と,自分のことは棚に上げるこにたんでした.

 

教訓 : 宙に物は置けません

 

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