●わたしたちは、「見やすさへの配慮」を要望しています。
みなさんのお知り合いに、見えてはいるけれどよく見えない弱視という視覚障害者はおられますか? おそらく、この質問に答える前に、「そもそも〝弱視〟って何?聞いたこともない。視覚障害者は全然見えない人のことではないのか。メガネやコンタクトレンズで矯正できないことなどあるの?」と思われるでしょう。ですが、視覚障害者の7割程度は、ある程度見えてはいるものの視力や視野に障害がある弱視者です。白い杖を持たない人も多いので、その存在に気づかないだけかもしれません。
そして、弱視と言う言葉を聞いたことがなくても、白内障や緑内障、加齢黄斑変性症なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。白内障に至っては、高齢の知人や家族が煩っておられることもあるかと思います。白内障は代表例ですが、年を重ねれば誰もが体のあちこちに不調が現れ、程度の差こそあれ見えにくさを抱えることになります。
このように考えると、みなさんとは縁遠い弱視という限られた視覚障害者だけではなく、多くの高齢者、そして、将来必ず高齢者になられるみなさんも、「見やすさへの配慮」の必要性をいずれ実感されることとなるでしょう。
わたしたちは、弱視という立場で日頃見えにくさを味わっており、その経験を活かしてどのような「見やすさへの配慮」があればより多くの人に便利になるかを検討しています。視力や視野の状態が個々に異なりますので、できるだけそれらを考慮しながらいくつかの項目にまとめています。
随分ずうずうしい要求だと感じられるかも知れませんが、特に公共性の高い施設においては参考にして頂き、取り入れて頂きたいと願っております。

 

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