平成27年6月24日

 

ドコモにレピータを付けてもらった

 

 こにたんの実家は、光もADSLも届かない愛媛の片田舎にあります。といっても、松山の中心地から車で50分程なので、距離的にはそれほど田舎というわけではありません。要するに電話局からの距離のせいで、光もADSLもサービスしてもらえないのです。ブロードバンドという言葉が一般化して10年以上になるのに、いまだに引けるのはISDNだけです。1Gの光の時代に、ISDNはないでしょう。同じ日本人でありながら、まったく不公平の極みです。
特にほぼ全盲のこにたんにとって、ネットにつながらないパソコンは、目や耳をふさがれたも同然です。ですから、たまに実家に帰ると、暇で暇でしかたありません。定年後はその実家に帰ることにしているので、定年を数年後にひかえて、真剣に実家のネット環境を何とかしようと考え始めました。それでいろいろと調べて行きついた結論が、電波しかないという何ともありふれたものでした。そういうことで、前回のコラムでちょっと触れた、モバイルルータを買うことにしたのです。
実家には父と母が暮らしており、歳のこともあってちょっと心配なので、月に一度は帰るようにしています。酒飲みの父は酒の相手に、飲まない母は愚痴の相手にと、こにたんの帰省を歓迎してくれます。しかし、ニュースの少ない田舎のこと。話の内容はいつも同じで、少々閉口しておりました。でもこの5月の連休は、いつもとは違います。モバイルルータをリュックに入れ、意気揚々と実家に帰りました。
ところがです。単身赴任先では調子のいいモバイルルータですが、いまいちうまく接続できません。要するに電波が弱いのです。実はこの実家、こにたんが前に使っていた携帯は、屋内ではほとんどつながりませんでした。しかし先日携帯を新しくしてからは、ほぼ問題なくつながるようになったので、携帯が古かったせいだと思っていました。ところが、もちろんそれもあるのでしょうが、モバイルルータで電波の状態を見ると、「圏外」、「3G弱」、「LTE弱」の間を行ったり来たりしています。モバイルルータの置き場所や天候などにより、電波の強度が変わり、微妙につながったり切れたりしているようです。新兵器に期待していただけに、残念です。有線だけではなく、無線にまで拒否されるとは、とほほ。
しかし、松山市から車で50分しか離れていない場所でそのような状態ですから、日本全国には相当数のネット難民がいるのではないでしょうか。電電公社が民営化されて以降、続々と新しい通信会社ができましたが、それらはみな利益優先のようです。企業としての社会的責任はどこへいったのでしょう。そんな姿勢でいいんですかね。それに電話料金に上乗せされているユニバーサルサービス料は、どこに使われてるんですかね。これはそもそもの郵政政策に問題があるのではないでしょうか。おふくろの愚痴を聞きながら、こちらも誰かに愚痴りたい気分です。
さて、田舎から帰ってきて気持ちの収まらないこにたんは、何とかならないものかといろいろ調べてみました。そうすると、ありましたありました。携帯の電波を増幅してくれるレピータという装置を、無償で設置してくれるサービスをドコモが提供していました。なお、各キャリアとも、同様の制度があるようです。でも問題なのは、こにたんのモバイルルータはドコモの電波を使っているのですが、契約先はOCNです。またコニタンの携帯はドコモですが、実家の両親はソフトバンクの携帯を使っています。そういう状態で、はたしてドコモがレピータを付けてくれるものなのか。多少不安はありましたが、結果的には案ずるより産むが易しでした。
手続きは簡単で、以下のような感じでした。まず携帯から113番に電話し、実家の電波状況を伝え、レピータなる装置があるようなので付けてほしいと申し入れる。すると、実家の住所などを聞かれ、サービスエリア内に入っているかどうかを調べるのでしばらく待ってほしいと言われる。1分ほど待つと、サービスエリア内であることが確認できた、なにがしという業者に連絡を入れておくので、のちほどその業者から電話があるという。翌日、その業者から電話があり、いついつうかがうが予定はいいかというので、実家の両親に確認して、OKの返事を返す。なお、工事の際に簡単な契約書にサインしてもらわなければならないがどうするかと問われ、実家の両親にサインしてもらってほしいと伝える。工事の日には二人の作業員がやってきて、屋内外の電波強度をくまなく調べる。そして、その電波強度に従い、アンテナと装置の設置場所を選ぶ。装置から放射される電波は10mほどしか届かないので、いつも生活している場所を選ぶ必要がある。設置にかかる時間は1時間ほど。
工事日は平日だったので、親父に立ち会ってもらいましたが、工事業者の話では、この地域は、正面に見える島(岸から16kmほどの場所にある)に中継アンテナがあるのだけど、アンテナの高さが低いせいか、電波の弱い家が多い。以前にも、近所の誰それさんと誰それさんの家に来たことがある。見通しがいいため、広島や山口の電波も飛んでくるが、その電波が悪さしているのかもしれない・・・とのことでした。
このようにして、無事工事が完了しましたので、先日実家に帰った際に、さっそく接続のテストをしてみました。結果は大満足・・・とまではいきませんでしたが、以前よりはだいぶましになりました。電波が不安定なのは変わりませんが、圏外になる頻度は大幅に減りました。アンテナ2本分は強くなった感じです。設置されたレピータは、本体が15cm×15cm×5cmぐらいで、アンテナが10cm×15cm×2cmぐらいの大きさで、1階の座敷に設置されていました。アンテナは座敷の欄間の内側という何とも不思議なところに取り付けられていましたが、プロの仕事ですから間違いはないのでしょう。しかし、この場所は正面に放れの屋根があるので、電波環境としてはあまり有利ではないと思うのですが、どうなんでしょうか。次に実家に帰った際に、アンテナの場所を動かして、もっといい場所がないかどうか確認してみたいと思います。
さて、以上のようにいくらか問題はあるものの、レピータのおかげで以前ほどのいらいらはなくなりました。これで、定年しても安心です。ドコモさん、ありがとう。いろいろ文句を言って、ごめんね。皆さんも、携帯の電波が弱いところにお住まいなら、レピータの設置を申し込まれたらいかがでしょうか。

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