平成26年11月12日

ヨーグルト生活

 

体にいいヨーグルト。健康おたくのこにたんも5年ほど前にヨーグルトメーカー(タニカの「YM-1200」というやつ)を購入し、カスピ海ヨーグルトやけふぃあヨーグルトなどを作って楽しんでいました。しかしその後、以前のコラムにも書いたように、牛乳が癌や骨粗鬆症の原因となることがわかり、少々悩ましくなりました。癌になるのは牛乳の中にあるカゼインというタンパク質のせいであり、これはヨーグルトにすると大丈夫との情報もありましたが、君子危うきに近寄らずとも言います。そこで、材料を豆乳に変えようと試みました。しかし、ヨーグルト作りに豆乳を使う場合、無調整のものを選ぶ必要がありますが、こにたんが食材を注文している生協には調整豆乳しかありません。何度か調整豆乳で試しましたが、やはりうまくいきませんでした。乳酸発酵をしない調整豆乳って、何が入ってるんでしょうかね。ま、それはいいとして、そのためしばらくヨーグルト生活をやめにしていたところ、半年前あたりから不定期ながら生協にも無調整の豆乳が出るようになりました。しかもちまたで評価されている、九州産の国産大豆を使ったものが出ています。そこでふたたびヨーグルト生活を始めた次第です。
ちなみにヨーグルトメーカーを使えば、ヨーグルト作りは簡単です。まず、容器に少量の水を入れ、電子レンジで1分程度加熱して容器を殺菌します。次に豆乳を入れ、砂糖(できれば黒砂糖)を適当に入れ、種菌を入れてかきまぜます。あとはふたを閉め、温度設定を確認してヨーグルトメーカーにセットするだけです。そうすると種菌によっても異なりますが、半日から1日程度でヨーグルトが出来上がりです。かつてはカスピ海ヨーグルトやけふぃあヨーグルトの種菌を使っていましたが、これらはちょっと高価なので、最近では市販のブルガリアヨーグルトなどを使っています。なお、一度作ったヨーグルトを種菌にして次のヨーグルトを作ることが一般によく行われていますが、これは注意しないと、何世代か後には雑菌やカビを培養していることになりかねず、かえって健康を害することになるとか。そのためもあり、こにたんは市販のヨーグルトを使って、1代限りの培養にするようにしたのです。
ヨーグルトの効能はいろいろありますが、昔から言われている整腸作用や便秘解消のほかに、癌予防、風邪やインフルエンザ予防、アトピーや花粉症他のアレルギー疾患の症状緩和、糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防、美肌効果、若返り効果などあり、いいことずくめです。ヨーグルトで鼻を掃除して、蓄膿症が治ったなんていう記事を見たこともあります。また最近、ヨーグルトにストレス耐性を増す働きがあることもわかってきたとか。そうしたヨーグルトの効能の中で、こにたんがお勧めなのが、ヨーグルトで歯を磨くことです。
その方法ですが、自作のヨーグルトを食べた後、最後の一口を口に含んだまま歯を磨きます。ヨーグルトは糖分の少ないものなら市販のプレーンヨーグルトでもちろん大丈夫です。歯磨き粉は必要ありません。ただのヨーグルトを歯磨き粉代わりにするのです。不思議なことに、ヨーグルトで歯を磨くと、通常の歯磨き粉よりも歯がつるつるになります。こにたんは20年ほど歯医者に行っていなかった時期があり、その間一生懸命歯を磨いたおかげというか何というか、歯磨きの仕方が悪くて、歯の根元がすり減ってしまいました。通常の歯磨き粉には研磨剤が入っており、それが歯を削ってしまったのです。10年ほど前に集中的に歯を治療した際に、そのことを歯医者さんに指摘され、それ以来歯磨きには気を付けているのですが、ヨーグルトでソフトに磨けば、歯が削られる心配もありません。何よりも、こにたんの年頃になると恐ろしい歯周病の菌をヨーグルトの乳酸菌がやっつけてくれるのか、歯茎のはれや痛みが少なくなり、歯茎がしっかりしてきます。それに洗面台があまり汚れず、ちょっと水で流すだけで済みます。ヨーグルトで歯磨きというのはどこかの歯医者さんが、本も出しているようなので、興味がある方は調べてみられてはいかがでしょうか。
それから、ヨーグルトのちょっと意外な活用法の中に、植物の肥料や農薬の代わりにするというものがあります。ヨーグルトを薄めてきゅうりの葉に散布したら、収量が倍増したなんていう話もあります。こにたんの単身赴任先にはヤシの木が2鉢あり、もうかれこれ10年ぐらい世話をしているのですが、あまり手をかけていないせいか、だんだんと貧弱になってきました。またこの夏、ちょっと水やりをさぼっていたら、葉っぱがいくつかしおれてしまいました。こうなるといくら水をやっても、もとには戻りません。しかたがないのでしおれた葉をハサミで切り取ろうとしました。そうすると、ヤシの木からのメッセージでしょうか、ふとこれにヨーグルトをやったらどうだろうかと思い立ちました。そこで自作のヨーグルトを水で100倍ぐらいに薄め、水やりついでに根元にかけてやりました。すると数日後、しおれた葉がみごとに復活したではありませんか。これには驚きました。植物も土の中では微生物と共生しており、乳酸菌が土の中の有用な微生物を元気にしたのでしょうか。それ以来、月に1度程度の頻度で、ヤシの木にもヨーグルトをあげています。葉の色は見えませんが、何とはなしに成長が早くなったような気がします。
ところで、普通の乳酸菌は胃酸で死んでしまい、腸まで届かないという話があり、そのため、胃酸に強い特別な乳酸菌やビフィズス菌、あるいは乳酸菌をカプセルにして腸まで届かせるといった商品がたくさん出ていますよね。でもこれ、最近では、生きた乳酸菌が腸まで届かなくても、乳酸菌が生成した物質があれば、腸内環境を整えるのには十分という研究もあります。これは微生物同氏は物質を媒介にして影響し合っているのだから、考えてみれば当たり前です。それに、外から入った乳酸菌は、腸内には定住しないとの話もあり、ますます物質だけの作用で十分と思えてきます。また、腸内環境を整えるのは、どちらかといえば乳酸菌の中のビフィズス菌であり、このビフィズス菌を元気にしてやればよいということで、その餌であるオリゴ糖も話題です。玉ねぎを食べるとおならがよく出るのは、玉ねぎの中のオリゴ糖がビフィズス菌に食われてガスが発生するせいだとか。ま要するにヨーグルトを食べなくても、ビフィズス菌の餌を食べればいいということで、どんな食物がビフィズス菌を元気にしてくれるのかを研究した人がいて、その人が選んだのがリンゴ、バナナ、ニンジンだったそうです。名付けてABC療法というそうです。すなわち、アップル、バナナ、キャロットの頭文字です。この3つを組み合わせてもいいし、1種類でもいい、そのまま食べてもジュースにしてもいい、量は少なくてもいいけど、毎日食べることが大事だそうです。なあんだ、ヨーグルトメーカーっていらなかったのか。ま、あれ甘酒も作れるからいいけど。
最後に、ちょっと興味深い研究をご紹介します。臆病なマウスと冒険好きなマウスを用意し、一方のマウスの腸に存在したバクテリアをもう一方に移す実験を行いました。はじめ冒険好きのマウスは暗い場所に入れられると柵の中を光を求めて動きまわっていたのですが、臆病なマウスのバクテリアを腸に入れられると暗闇の中の探索をやめたとのこと。反対に、臆病なマウスに冒険好きのマウスの腸内バクテリアを入れたところ、冒険好きなマウスと同様に大胆な行動を起こすようになったそうです。ひょっとして、性格って腸内の細菌が決めてるんでしょうかね。そういえば、ペットや豚肉などから感染するトキソプラズマ。あれって、感染するとやはり人の性格を大胆にするそうです。日本人の感染率は50パーセントほどですが、南米の多くの国では何と90パーセント前後にもなっているとか。どうりでみんな明るいはずです。ある年のワールドカップの成績順とその国のトキソプラズマの感染率の順位がみごとに一致していたなんて話もあります。これって、人を大胆にさせ、濃厚な接触を促し、感染を拡大しようとするトキソプラズマの戦略でしょうかね。恐るべしです。

 

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