平成25年11月17日

 

黒ニンニク

生協や健康食品のサイトなどで時々見かける「黒ニンニク」、これって何だろうと思いつつも、何となくまずそう・・・、それに1個500円もするし・・・、君子危うきに近寄らず・・・と、こにたんはこれまで一度も口にしたことがありませんでした。ところが偶然どこかのサイトで「黒ニンニクの作り方」なる記事を発見しました。効能もガン予防、心臓病の予防、老化防止、美容にもよいなどとあるではありませんか。俄然こにたんの健康おたくの血が騒ぎはじめ、作ってみました。今回のコラムは、先の愛媛弱問研でも少し触れた、「黒ニンニク」作りのレポートです。
黒ニンニクの作り方はいたって簡単。炊飯器を保温状態にしてその中にニンニクを入れ、2週間ほど発酵させるというものです。途中、何日かおきにニンニクの上下をひっくり返すなどのお世話は必要ですが、ほとんど手間はかかりません。
さあて、はじめましょうか。まずは炊飯器が必要です。2週間もニンニクを入れっぱなしにしなければならないので、ご飯を炊くのとは別の炊飯器が必要です。しかもサイトの注意書きには、一度炊飯器を黒ニンニク用に使うと、臭いが炊飯器に移ってしまってご飯用には使えなくなるとあります。サイトの記事では中古の炊飯器を探したとありましたが、幸いコニタンの実家には9年前に単身赴任を始めたときに買った安物の炊飯器が眠っているはずです。その後少し上等なものを買ったため、使わなくなって実家に預けてあるものです。3合炊きと少々小さめですが、500g程度のニンニクは入ります。9月の末に実家に帰った際、「あの炊飯器どうなった?」とおふくろに聞いたら、「ちゃんと置いてある」との返事。これでとりあえず炊飯器の確保はできました。それから炊飯器に関してもう一つ注意があります。最近の炊飯器はある程度の時間がたつと自動で保温が切れるものがあるとか。実家に預けておいた炊飯器がどうだったかは長時間保温をしたことがないのでわかりませんが、もう取説もないし、あったところで読む気はしないし、これはやってみるしかありません。
次にニンニクの調達です。通常売られている黒ニンニクは玉のまま発酵させてありますが、生協で売られているニンニクは、玉のままではなくばらしたものがほとんどです。作り方のサイトによればこれはどちらでもよいようです。ただし、ばらしたものは水分が飛びやすいので、炊飯器に入れる前に水に浸すなどして水分を補給してやるとよいとあります。ということで、生協で500gほどの青森産ニンニクを注文しました。その際、丁度タイミングよく、プロが作った黒ニンニクがSサイズ5個千円で出ていました。プロの味を見ておかないと、自作したものが成功したかどうかわかりませんので、これも合わせて注文。
翌週、注文したニンニクとプロの黒ニンニクが届き、早速プロの味を確認してみました。はじめて口にするものなので、少し緊張します。皮をむいておそるおそる口に入れると、これがなかなかの美味です。ニンニク本来の臭みや辛みはなく、とろりとした舌触りに甘酸っぱい濃厚な味がします。いくら健康に良いと言われても、まずくては食指が動きませんが、これなら大丈夫です。しかしおいしいのでいくらでも食べられそうですが、滋養がありすぎて食べ過ぎると危ない予感もします。生ニンニクほどではありませんが、注意が必要かもしれません。
さて、届いたニンニクを早速仕込みます。といっても、上に書いたように作業は簡単です。ざるでさっと水洗いし、炊飯器に入れて保温のボタンを押すだけです。ただ、炊飯器の置き場所には注意が必要です。部屋内に置くと、発酵が進むにつれて強烈な臭いが部屋中に充満するとか。そこでコニタンは窓際のコンセントにコードをさし、炊飯器をベランダに出そうと考えました。しかし、炊飯器のコードは思いのほか短く、手元に余ったテーブルタップもありませんでした。しかたがないので、窓を少し開け、その窓際に炊飯器を設置することにしました。あとは2週間待つだけです。
翌日です。やはり臭いが出てきました。なかなか強烈です。夕方仕事から帰り玄関のドアを開けると、ニンニクの臭いに迎えられます。でもこれはすきっ腹にはいい臭いです。仕事から帰ってまずすることは、炊飯器のふたを開け、ニンニクの上下を入れ替えることです。保温性の良い炊飯器ならばこの作業はあまり必要でないかもしれませんが、こにたんの炊飯器は安物なので、明らかに上部と下部とで温度にむらがあります。また表面近くのものは乾燥気味で底近くのものは湿っています。上下を入れ替えるのは、この湿り度を調節する目的もあります。なお、原料のニンニクの水分が多い場合、数日たつと全体がべちゃっとなることがあります。このような場合には、数時間ふたを開け、水分を飛ばします。こうすることで、表皮がからり、中身がしっとりの黒ニンニクに仕上がります。
1週間ほどたちました。ニンニクの臭いは3、4日目あたりがピークで、その後は気にならなくなりました。これは臭いが減ってきたのか、こにたんの鼻が臭いに慣れてしまったのかわかりませんが。こうして1週間もたつと、ニンニク臭さがかなり和らぎ少し甘い匂いになってきます。試しに1個試食してみると、まだ中心に辛い部分があるものの、かなり甘みが出てきました。心配した保温の切れる問題もありませんでした。この分だとあと数日で完成しそうです。
、発酵を開始してから10日目の夜、やはり試食してみると、プロの味にかなり近づいていました。そこで発行はここまでとし、できた黒ニンニクをキッチンペーパーをテーブルの上に敷いてその上に並べ、1週間ほど常温で寝かせます。こうすることで酸味が増し、味が落ち着くそうです。でも、1週間寝かせている間にも毎日朝晩試食していますから、出来上がった時にはだいぶ減っています。できた黒ニンニクを両親と家内に試食してもらうと、結果はなかなか好評でした。生とは全く異なる味に、おふくろなどは関心しきりでした。
ところで、黒ニンニクの効用ですが、先にも書いたように、①ガン予防、②心臓病、脳卒中、成人病の予防、③老化防止(若さの維持)、そのほかにも免疫力の向上、肝機能の改善、滋養強壮などさまざまな薬効が確認されているそうです。こうした薬効がどこから来るのかについて、いくつかのHPの情報から簡単に記しておきます。
まず、癌をはじめとする多くの病気や老化の原因となっているのが活性酸素です。この活性酸素は化学物質や放射線、紫外線、大気汚染物質などが体に取り込まれることで生じます。また呼吸によって取り込まれた酸素がエネルギーに変換される過程でも生じます。このため、現代人の病気や老化の防止には、活性酸素をいかに除去するかが課題となります。野菜や果物にはこの活性酸素を除去する成分が豊富に含まれていますが、その中でもニンニクの活性酸素除去能力(抗酸化力)はトップレベルだとか。しかも、ニンニクを黒ニンニクにすることで、その抗酸化力は水溶性の成分で8。7倍、脂溶性の成分で79倍にもなるといいます。年を感じはじめたこにたんにはぴったりです。
また、ニンニクを発酵させることで、生のニンニクにはなかったS-アリルシステイン、やS-アリルメルカプトシステインなどの物質が生まれるそうですが、これらの物質には抗酸化作用、肝障害予防作用、がん予防作用、がん細胞増殖抑制作用などが確認されているとか。酒飲みのこにたんにはありがたいことです。
さらにニンニクにはTリンパ球、好中球、マクロファージの病原菌攻撃作用を増強させるとともに、リンパ球からのインターロイキン(免疫細胞の働きを調節するタンパク質)の分泌を増加させ、ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化させる効果があることも知られているそうです。頼もしいですね。
加えてニンニクは、血管拡張作用や血液の流動性を高める作用によって血液循環を良くするとともに、代謝を亢進して体熱産生を高め、冷えを改善するそうです。「冷えは万病の元」と言われますから、その効果は大きいと言えます。
さらにニンニクにはコレステロールや血圧を低下させる効果があり、心臓発作や脳卒中のリスクを減らすこともできるとか。突然逝かなくて済みそうですね。
いやあ、ニンニク君、すごいですねえ。コニタンは年のせいか数年前から冬の冷えと肩凝りに悩まされてきましたが、たしかに黒ニンニクを食べはじめてから、体が冷えにくくなったような気がします。また永年使ってきて少々くたびれ気味のわが息子も、元気になったような気がします。フフ。家内も気に入ってくれ、風邪気味の時など、1日5、6個食べているようです。そんなに食べて大丈夫でしょうか。一番の目的が家内に食べさせることではあったのですが。ま、何はともあれ、そのパワーを信じ、家族の健康のためにせっせせっせと黒ニンニクの製造に励むこにたんでした。

 

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