平成25年3月20日

テニスボールで肩凝り解消

3月です。
卒業の季節です。
我が家でも大きい子供(妻のこと)が8年越しの大学院生活を終え、先ごろ無事博士号を取得して卒業いたしました。
ここまで来るには妻も大変だったろうけど、こちらも大変でした。
その苦しみからやっと解放されると思うと、この春の喜びはこにたんにとって格別です。
こにたんが妻と結婚したのは8年前のこと。
妻が大学院に入学した年でした。最初のうちは傍で様子を見ているだけでしたが、やがて研究が本格化するにつれ、こにたんも徐々に巻き込まれていきました。
ゼミのたびに泣いて帰る妻を、放っておくことができなくなったのです。
こにたんが担当したのは、妻が持ち帰る研究資料を、スキャンしてパソコンに取り込むことでした。
しかしその量たるや半端ではありません。
おそらく50万ページ以上スキャンしたのではないでしょうか。
論文や発表原稿が仕上がれば、その添削もこにたんの役目でした。
さらには、データの整理や資料のデータベース化等々、妻専属のプログラマーとしても働きました。
つまり、妻との結婚生活とはすなわち妻の研究のお手伝いのことだったのです。
弱視の妻の研究を全盲の夫が支えると言えば美談ですが、こちらは少々呆れ顔で、早くこの生活が終わってくれないかとそればかり考えていました。
ですから今はまだ、妻の卒業を祝福するよりも、やっとこの生活から逃れられるというのが正直な気持ちです。
おっと、そうではなく、今回は肩凝り解消の話でした。
こにたんは目が悪い以外、体のほうはいたって元気で、若い頃は毎日8時から夜の10時頃までパソコンの前に座っていても平気でした。
しかし、妻の手伝いをするようになり、土日も含めて休みなしのパソコン作業となってさすがに疲れてきました。ここ5年ほど前からは、肩凝りに悩まされるようになり、また四十肩・五十肩も経験しました。
それでも最初のうちは、少し肩を回すだけで、凝りはほぐれていました。
しかし年がたつにつれて徐々に鈍い痛みが増し、やがてしびれるような痛みへと変わっていきました。
そして肩凝りはこにたんの最大の悩みとなりました。
特に肩甲骨の周りの背骨に近い側の筋肉の凝りがひどく、ここに凝りを感じると余計に筋肉がこわばり、それによりますます凝りをひどくしていくという悪循環でした。
こうなるといらいらして仕事にも集中できなくなり、気分もさえません。
そこでこの肩凝りを何とかせねばと、ずいぶんいろいろなことを試してみました。
こにたんがこれまで行ってきたことを列挙すると、電動肩たたき機、ピップエレキバン、湿布、三皇不思議シート、背中ん棒、低周波治療器、岩盤マット、娘の手、妻の手等々です。
このうち電動肩たたき機は圧迫が弱くて、軽い肩凝りにはいいんでしょうが、こにたんのような頑固な肩凝りにはいまいちでした。
ピップエレキバンは、効くと言えば効くのですが、効く範囲が狭く、また体が硬いこにたんには一人で張ることができません。
湿布は痛みの緩和にはつながりますが、根本的な問題解消にはなりません。
三皇不思議シートとはシート中に木酢液や各種のハーブを挟んだもので、その名の通り不思議とよく聞きます。
しかしこれは1枚100円と高く、これを2箇所に張って毎日使うには少々懐が気になります。
続く背中ん坊はクエスチョンマークのような形をしたプラスチックでできたただの棒で、この先端部分を凝っている場所に当てて引っ張るようにして圧力を加えるものです。
これは先端部分の形が気になりますが、うまくツボに当てると気持ちがよく、会社で時々使っています。
低周波治療器は、ピップエレキバンと同様に効く範囲が狭く、何度も場所を変えてやらなければなりません。
しかも電流が弱いと効かないような気がし、強くすると筋肉の動きが大きすぎてかえって筋肉が緊張してしまいます。
岩盤マットは、遠赤外線で患部を温めるもので、非常にここちよく、冬には座椅子の背もたれに敷いて愛用しています。
しかしこれは夏には使えません。
娘の手は、あのきゃしゃで弱い力が何とも言えずよかったけど、すぐに大きくなりもう相手にしてくれません。
妻の手は気持ちいいけど、すぐに電池が切れるのが玉に傷です。
こうして永年悩まされ続けてきた肩凝りですが、最近ネットで硬式テニスボールを使った肩凝り解消法を知りました。
何のことはない、硬式のテニスボールで患部を圧迫するだけの単純なものですが、これはよさそうだと直感して実践してみることにしました。
さっそくamazonで4個で600円のダンロップ製のテニスボールを注文。
品物が届いて、缶詰のような容器のプルタブを引っ張ると、プシュっと軽い音がして中の圧縮ガスが抜けます。
何となく気持ちの良い音とともに、近くの女子大生と軽井沢のペンションでテニスをするのを夢見て、研究そっちのけでテニスの練習をしていた学生時代のことを思い出しました。
あの頃は既に軽い夜盲が始まっていましたが、それが病気とは知らず、勉強のせいで少し目が悪くなったぐらいに思っていました。
さて、テニスボールの使い方ですが、布団に仰向けに寝っころがり、背中にボール1個を敷いて体重を乗せ、患部を圧迫するだけの単純なものです。
ここで注意が必要なのは、ゆっくりと加減しながら体重を乗せることと、体重を乗せたままでごろごろとボールを動かさないことです。
硬式のテニスボールはそれなりに硬さがあるので、下手をすると骨折につながりかねないのです。
そういうことを注意して、背中や肩の痛い部分にボールを転がしていき、ゆっくりと体重を乗せていくと、ああ快感。
ジンわりと痛痒い、気持ちのいい状態になりますので、そこで数秒から10秒程度じっとして、続いて別の場所を圧迫します。
肩の近くなどそのままでは圧迫が弱い場合には、膝を立て、お尻を浮かせていけば圧迫が強まります。
同じ場所をあまり長く圧迫しないことも肝心です。
イメージとしては、筋肉から何か悪いお汁のようなものを絞り出す感覚です。
5mmもボールを移動すると別の感覚が味わえますので、微妙にボールを移動して体重を加えてみてください。
そしてもう十分と思ったら、起き上がって肩を動かしてみてください。
肩や背中の筋肉が透明になったような、子供の頃に帰ったような、そういう新鮮な気持ちが感じられることと思います。
さて、妻の研究生活は一段落したとはいえまだまだ続きます。
テニスボールという最強の肩凝り解消グッヅを得たこにたんは、今日もまた妻のお手伝いに励むのでありました。

 

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